こんにちは。さえこです。
スキルがあって移住できた人でも、いきなりカナダに来て仕事を見つけるのは、至難の技です。日本と違うビジネス習慣や文化、それを知っておくのも社会に溶け込むための大事な要素です。そのサポートとして、ビジネス特化した就職に役立つトレーニングも無料であります。ここでは、私が実際に受けたトレーニングについて書いています。
Enhanced Language Training とは?
ある程度の言語レベルがある新移住者で母国で仕事経験がある人に向けて、仕事探しの橋渡しをする役目を持った授業プログラムです。通称、ELTと呼びます。学校やそのプログラムにもよりますが、語学レベル指標のCanadian Language Benchmark(CLB)が5-6以上あれば、Enhanced Language Training(ELT)のクラスを受講できます。基本的に1学期(12週間)で修了です。居住先が決まったらぜひ探してみてください。学校によってカリキュラムが違いますので、入学前に一度説明を聞いてみるといいかもしれません。私が受講したのは1日5時間のフルタイムでした。他の学校で受講した人に聞くと、カリキュラムや宿題が多い方だったようです。
新移住者向け語学学校(LINK・CLIC)で教えてくれることは、基本的にカナダでの生活に困らないように一般的な内容が大半です。語学レベルも初心者から上級者まで揃っています。そちらについては、この記事を参考にしてください。
Canadian Language Benchmark(CLB)って何?と思われた方はこちらを参考にしてください。
どんなことを教えてくれるの?
大きく分けると、こんなカリキュラムでした。
- 自分のキャリアや長所・短所を探る
- ビジネスコミュニケーション/カスタマーサービススキル/プレゼンテーションスキル
- 仕事探しのコツ
- レジュメ&カバーレターの作成ノウハウ
- 面接の練習
- インターンや就職先の紹介
自分のキャリアや長所・短所を探る
カリキュラムの最初は、自分のこれまでの経歴からどんな仕事の仕方をしてどんな結果を出したか、どういった価値観を持って仕事をしていて、チームワークやリーダシップなどの実績はどんなことをやってきたか、など、まずは自分自身と向き合うことでした。それらを文章化(もちろん、英語作文です)して、仕事探しや面接対策に利用します。パーソナルスキルテストを受けたりもしました。
コミュニケーション/カスタマーサービス/プレゼンテーション
日本でも仕事で使う言葉使いと友人や家族と使う言葉使いは違うように、北米文化でも違います。ですので、耳慣れていなかった単語やフレーズ、イディオムをシチュレーションに沿って使い方を教えていただきました。例えば、仕事の進捗を報告するときに上司にどう説明するか?ボディラングエッジはどういったものがよいか?プレゼンテーションの組み立て方や質問、評価の方法など、クラスメートと擬似対話や会議を行ったりしました。基本的には日本も同じですが、聞く姿勢や確認の言い方なども練習しました。
プレゼンテーションは個人で3回、グループで1回行いました。台本を読まないようにリスナーの顔を見ながら行うのは、英語に不安のある私には難しかったのを覚えています。他のクラスメートのプレゼンを聞いてその意見や感想を伝えるのも大事な練習でした。
仕事探しのコツ
カナダの求人案内は、なんと80%以上がオンラインや新聞に掲載されることがありません。職を探している90%の人たちが、その残りの20%弱にエントリーしているという熾烈な争いという構図です。では、どうして80%以上が掲載されないかというと、いくつか理由はあります。特に急募していない、いい人がいたら採用したい、たくさんの応募があっても困るから、などのようです。ですので、仕事を探すためには、この80%から探し出すのが効率がいいことになります。では、どうするかというと、やはり、知人や周りの人から紹介してもらうのが良いということになります。とはいえ、移住してきて間もない人たちが、そんなに多くの知り合いがいる訳がありません。まずは、人付き合いが必要になってきます。信用度をUPさせることがとても大事です。ボランティアに参加したり、自分の経歴に関連する団体に加入したり、SNSも利用しましょう。仕事を探しているということを告知していきます。民間の就職エージェントもありますし、私がこの授業を受けていた学校にも就職カウンセリングがあり、受けることができます。ジョブフェアというイベントもありますので、レジュメと自作名刺を持って、フェア参加企業を回るのもありです。
レジュメ&カバーレターの作成ノウハウ
レジュメ(履歴書)は、日本の書き方と大きく違います。フォーマットはありませんし、全てのことを記入する必要はありません。求人内容に沿った書き方をします。自己PRが大事ですね。カバーレターも形式とはいえ、人となりが見えるものですから、レジュメにめを通してもらうためには、カバーレターが突破口になるので重要です。特に動詞や形容詞の使い方がキーになります。まずは、どの職種にも使えるマスター版を作成しておき、申し込む求人によって書き換えるという方法を教えていただきました。どうしても、会話やレター文と違う英語のルールがありますので、こういった学校や上記でお話したカウンセリングにて内容を確認してもらうのも大切です。
面接の練習
模擬とはいえ、きちんとスーツを着て、先生が面接官となり、1対2で面接の練習をします。他のクラスメートは、その面接のやりとりを見て、後で良かった点、悪かった点を評価しあいます。親しくなった先生たちとはいえ、緊張したのを覚えています。面接自体は、特に日本と違うなと思ったところはありません。ただ、やはり英語なので、聞かれたことが理解できなかったらどうしよう、と心配です。どうやって聞き直しをすればよいか、想定した質問の答えはスラスラと言えるように練習を重ねるしかありません。
インターンや就職先の紹介
カリキュラム中でも、生徒に合いそうな仕事はどんどん紹介していただきました。クラスメートでプログラムエンジニアの人は、学校からの紹介でかなり早いうちに正社員が決まりました。私の場合、このカリキュラムが終わってからでしたが、インターンの紹介をしていただきました。1ヶ月ほど、小さな広告会社でデザイナーとして仕事体験をすることができました。
まとめ
生活文化が違えば、職場文化も違うのは、当たり前のことですが、学校を通して理解する体験や練習は、とても役に立ちました。先生方やスタッフには、とても親身に就職活動のサポートをしていただき、感謝しています。今でも時々、このカリキュラム使ったテキストを引っ張り出しては読んでいます。これが、無料なのですから活用しない訳がありません。ぜひ、移民してからの就職活動に役立てていただきたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。カナダへの移民を検討している方の参考になれば幸いです。
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