こんにちは、さえこです。
カナダに移住したいけど、永住権のことがよく分からない。取得できるの?
という質問に対して簡単に説明していきたいと思います。
2022年11月にカナダ政府は、2023年から2025年までの新規永住者受け入れ数を発表しました。
それによると、
- 2023年 → 465,000人
- 2024年 → 485,000人
- 2025年 → 500,000人
となっています。
私がカナダに移住した10年ちょい前は、約400,000人だったので、ものすごく増やしているのがわかります。
間口は広くなってきています。
とはいえ、どんな人が有利なの?どんな方法で永住権を獲得することができるの?
そんな基本的な情報をお伝えします。
これを読むと、カナダに永住することを考える場合どんな準備が必要なのか?
が把握できると思います。
カナダ永住権を取得したらできること
永住権があったら何ができるのか?まずは、ここが知りたいですよね。
- 基本的な社会保障(医療保険や年金など)がカナダ市民と同じ内容が受けられます。
- 就学、就労、居住の自由があります。
- カナダの法律の下で保護されます。
- 市民権獲得の権利があります。
- 新移住者には、語学を始めカナダ社会に馴染むためのサポートを受けることもできます。
新移民者向けの語学学校については、こちらで詳しく書いていますので、参考にしてください。
では、市民権と永住権の違いは?というと
選挙権がなく、高度な安全保障(軍幹部など)が必要な職業に就くことができません。
カナダのパスポートは市民権がないと取得できません。
なので日本の方は、日本国籍のままで日本のパスポートを保持して日本の選挙で投票できます。
日々の生活では、特段の差はありません。
カナダ永住権にはどんなビザプログラムがあるか知ろう
カナダ永住権と一言で言っても、永住権ビザプログラムと取得方法はたくさんあって複雑です。
まずは、代表的なプログラムを知って、どれで申請できるか検討します。
カナダ永住権の代表的なビザプログラム
Express Entry(エクスプレスエントリー)
- Federal skilled workers
- Federal skilled trades
- Canadian experience
各州のプログラム
- Provincial nominees(ケベック州以外の各州であります)
- Quebec-selected skilled workers(ケベック州のみ)
特別プログラム
- Start-up Visa
- Rural and Northern Immigration Pilot
- Atlantic Immigration Pilot
- Caregivers
- Self-employed
- Agri-Food Pilot
- Refugees / Appeal your immigration decision (難民)
- Family sponsorship
順を追って、各プログラムを説明します。
Express Entry(エクスプレスエントリー)永住権プログラム
Express Entry(エクスプレスエントリー)というカナダ移民局に直接オンラインで申請できるプログラムが3つあります。
Federal skilled workers、Federal skilled trades、Canadian experience です。
しかも、他のプログラムより早く永住権が取得できます。
申請できる対象者は、経営者や医者、熟練技術者など高スキル所持者が有利です。
言い換えれば、カナダでも経済的自立、カナダ社会への貢献ができる人です。
カナダが欲しい人材に当てはまるかどうかを計測するのにポイント制度を使っています。
年齢、語学力(英語/フランス語)、学歴、職歴、カナダの経験や適合性などでポイントが加算されていきます。
自分はどれぐらいのポイントがあるのか?
ポイントチェックは、カナダ移民局のWebサイトにあるツールで知ることができます。
ポイントは、職業や職位によって大きく変わります。
職業は、NOC (National Occupation Class)
職位や経歴をTEER (Training, Education, Experience and Responsibilities)
で明確にクラス分けされています。
こちらも自分の職業や職位・経験はどのクラスなのか?
このカナダ移民局のWebサイトで調べることができます。
Federal skilled workers プログラム
Federal skilled workers に少なくとも必要な事項は、
・10年以内に1年以上フルタイムで働いていた経験がある(ボランティアや未払い経験は含まれない)
・その仕事が、NOC(National Occupation Class)の0かAまたはBクラスであること
この職業クラスというのが、医者・弁護士・経営者・熟練技術者などが当てはまります。
Federal skilled trades プログラム
Federal skilled trade プログラムは、主に技術的スキルのある職業クラスに対してのプログラムです。
例を挙げますと、電気技師、天然資源・酪農業・工業関連の技術者や管理者、シェフなどがあります。
Federal skilled tradeの最低条件事項は、
・対象となるお仕事の経験が2年以上ある。
・対象となるお仕事の正規雇用オファーを12ヶ月以上で書面でもらっている
もしくは、
・州か準州発行のCertificate of qualification(資格証明書)を持っている
Canada experience
カナダで対象となる正規雇用された経験が1年以上ある方向けです。
上記のFederal skilled workerとtradeのプログラムと関連しています。
Provincial nominees
ケベック州以外の州や準州から推薦をもらってから、Federal(連邦)移民プログラムを申請できるプログラムです。
州や準州によって欲しい人材が違います。
各州・準州が、必要としている職業歴や学歴のある人たちに推薦書を作成しサポートをしてくれます。
取得後はその州に住むことが前提となりますが、連邦である永住権はどこに住むのも自由です。
元々その地域で就労ビザや学生ビザで居住している人が永住権の申請をするのに利用される方が多いようです。
それぞれの州・準州の移民プログラムのWebサイトで確認してください。
- Alberta
- British Columbia
- Manitoba
- New Brunswick
- Newfoundland and Labrador
- Northwest Territories
- Nova Scotia
- Ontario
- Prince Edward Island
- Saskatchewan
- Yukon
Quebec-selected skilled workers
ケベック州は独自の規定があり、独自の移住プログラムを持っています。
ケベック州が選定する職種やスキルを持つ人または、就労ビザでケベック州にて就労していたり、学生であるなどの条件に適合する人は、選定証明を申請できます。
取得後はケベック州に住むことが前提となりますが、連邦である永住権はどこに住むのも自由です。
ケベック州は大半の方がフランス語ですので、フランス語学力が必要となります。
Start-up Visa
カナダで事業を立ち上げて、そのビジネスを拡大・構築できそうな起業家へのプログラムです。
指定されたベンチャーキャピタルや投資グループ、ビジネス・インキュベーダの支援が必要となります。
詳しくはこちらのカナダ移民局のサイトから。
指定されている団体はこちらのリストを参考にしてください。
Rural and Northern Immigration Pilot
カナダの北側エリアに移住するプログラムです。
Pilot とついていますが、飛行操縦士だけではないです。
人口が少ないこのエリアで必要とされる人材は、Federal skillで要求されるレベルよりかなり広い範囲の職業が対象となります。
各エリアコミュニティで特定されている要求事項に適合していること。
かつ、そのエリアでフルタイムの仕事を見つけて、一定期間就労をした後、推薦書をもらって永住権の取得申請をします。
Atlantic Immigration Pilot
大西洋側の州に移住するプログラムです。
こちらも北側エリアと同じく、広い範囲の職業が対象となります。
飛行操縦士だけではないです。
一定期間就労をした後、各コミュニティからの推薦書をもらうことで永住権の取得申請をします。
Caregivers
チャイルドケアやサポートワーカーとしてカナダで一定期間就労してから、永住権の申請をするプログラムです。
2019年以降、このプログラム内の条件範囲をかなり狭めていますので、検討されている方は最新の情報を確認してください。
Self-employed
文化活動や競技者として世界的に活躍する人へのプログラムです。最低2年の実績が必要となります。
Agri-Food Pilot
カナダ(ケベック州以外)にて、農業や酪農業の分野で最低1年以上フルタイムで就労した人が永住権の申請ができるプログラムです。
Refugees / Appeal your immigration decision
亡命や難民申請をされる方・された方へのプログラムです。
Family sponsorship
配偶者や家族のサポートで永住権を申請できるプログラムです。
詳しくは、こちらに書きましたので、参考にしてください。
カナダ政府のサイトには、2023年〜2025年の代表的なビザプログラムごとに受け入れ予定人数が掲載されています。参考にしてみてください。
永住権を取得したら気をつけなければいけないこと
Permanent Resident (PR)カードというものが発行されます。
これは5年で更新しなければなりません。
永住権を維持するためには、5年間で最低730日間カナダに居住していないと失効してしまいます。
また、カナダ国外に出る時は必ずこのPRカードを携帯してください。
忘れてしまうと、カナダ国内に再入国できなくなります。
まとめ
永住権の取得にはさまざまな方法があることが分かっていただけたかと思います。
ご自身のスキルやできることに合わせて申請するプログラムを知ることで、移住のための段階的な目標が作りやすくなるのではないでしょうか?
道のりとしては長くなりますが、カナダの大学や大学院で勉強したり、就労ビザで働いてみてから申請する方法は、門戸が広く取得しやすい方法ではあります。
とはいえ、経営者や資産家、特別なスキルを持つ人なら、特にカナダ居住歴も必要なく、半年から1年ぐらいで取得できることがあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。参考になれば嬉しいです。
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